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アプリケーションデータシート No.34

多層式培養容器を用いた大量培養における強制通気の効果

アプリケーションデータの概要

『強制通気(Active Gas Ventilation; 以下、AGV)』による培養容器内のガス交換は、弊社が精密なガス分岐の要となる装置上の構造に関して特許を持っている手法である。弊社はこれまでに〈カスタムバイオシェーカーCO2-BR〉シリーズで、AGVによって微生物や哺乳類細胞の培養効率や物質生産量が向上することを示してきた。CO2インキュベーター〈プレサイト MG-71〉シリーズにも、AGVに対応したタイプをラインナップしている。今回はこの強制通気式CO2インキュベーター〈プレサイト MG-71C-A〉による多層式培養容器を用いた哺乳類細胞の大量培養事例をご紹介する。

〈MG-71C-A〉は、振とう機を入れれば三角フラスコの、低速スターラーを入れればスピナーフラスコのAGV培養に使用可能だ。しかしながらいずれも振とうやプロペラ撹拌を伴う浮遊系培養であり、自然通気(Normal Gas Ventilation;以下、NGV)でも結果に一定の満足をしている研究者も多い。逆に多層式培養容器は接着系の静置培養であり、その名の通り培養トレーを複数重ねたような構造上、NGVでは各層とも効率よくガス交換されているのか疑問である(実際、製薬の研究開発や生産の現場で多層式培養容器による培養結果が芳しくないとの話を耳にした際、確認するとNGVである場合が多かった)。また、ガス交換が不足していても、それが培養に悪影響を与えるのかという疑問もある。よって非破壊酸素センサーによりNGVおよびAGVによる多層式培養容器内のガス交換効率をモニタリングした結果と、実際に細胞を培養して両者を比較した結果を併せて示すこととした。

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