アプリケーションデータシート No.33
酸素移動容量係数(kLa)でみる振とう速度と振幅の関係
アプリケーションデータの概要
好気的な微生物培養では培養液への酸素供給が培養効率の律速になることが多く、「(液側の)酸素移動容量係数:kLa」で評価する場合がしばしばある。kLaは気相中の酸素が液相、つまり培養液に溶け込む速度を表すパラメータであり、即ちエアレーションの良し悪しを示す。ただ、強制通気ならまだしも、通常の振とう培養においては微生物の好気的呼吸によって発生する二酸化炭素が容器外へ排出されないと容器内空気の置換が邪魔されるため、嫌気的な状態になってしまうことが知られている(ADS#026参照)。故に通常の振とう培養ではkLaのみで培養効率が決まる訳ではないのだが、ひとつの指標として参考にはなる。弊社の恒温振とう培養機には振幅を変更できるものが多いため、「振とう速度と振幅の関係」や「振幅と培養効率の関係」についてのご質問が寄せられてくる。容器サイズと液量、振とう速度の違いによるkLaの変化についてはインターネットで見つけることができるが、「振幅の違い」までも含めて調べた情報を見つけることはできなかった。そこで今回は、「振幅」がkLaに与える影響を三角フラスコ用DO/pH測定システム〈SFR〉を用いて実際に調べた結果をご紹介する。
ファイルのダウンロード
「酸素移動容量係数(kLa)でみる振とう速度と振幅の関係」をダウンロード
関連する製品

測定システム | シェイクフラスコリーダー | SFR vario
振とう培養時のDO/pH/バイオマス(OD)の非接触オンラインモニタリングが可能。フラスコ1本架。■適用センサー:センサーフラスコ(*1) ■チャネル数:125mL~5Lセンサーフラスコ×1
大型恒温振とう培養機 | バイオシェーカー® | G・BR-300
2段重ねとリフトアップドア、サイド実験台としても活用可能で大量培養と省スペースを両立。■使用温度範囲:+4℃~+80℃ ■温度調節精度:±0.3℃~1.0℃(*1)